歌集・歌人紹介 多くの方が短歌に興味を持って頂ける朗読パフォーマンスを表現します 現代短歌 歌人 北久保まりこ

北久保まりこ プロフィール

北久保まりこ

東京都生まれ
東京都三鷹市在住
日本文藝家協会会員
日本PENクラブ会員
現代歌人協会会員
日本歌人クラブ会員
心の花会員
Tanka Online Project
Tanka Society of America

北久保まりこ

当サイトはリンクフリーです。
左のバナーをご利用下さい。

歌人  北久保まりこ
歌集・歌人紹介

この度、2003年に他界した母の挽歌が多く読みこまれている私の第三歌集
『ウィル‘WILL'』が英訳される運びとなりました。
この歌集によって、日本語圏以外の国のより多くの方々も広く短歌に親しみ、
興味を抱いて頂けるよう心から祈っております。

Messages

タイトル Messages (短歌朗読オーディオCD)
リリース 2009年
価格 1,500円

"On This Same Star"、"Cicada Forest"より選んだ歌で5つのストーリーを構成した朗読CDを作りました。
朗読した歌の日本語表記、英語表記に加え、日本語の韻律を海外の方々に理解していただくためローマ字表記も添えたブックレット付きです。

1. memories
2. hope
3. my boy
4. to my mother
5. messages

波のことばで伝えたい

タイトル 波のことばで伝えたい
発 行 1999年
出版社 アートランド

代表歌:
思い出になってしまった少年のソプラノ星の神話のように
君と居るつもりになって目を閉じる すこしの間あたたかくなる
幾億のしずかな星のちからにて夜ごとにのびる少年の丈

書評: 外塚 喬氏  角川書店 短歌 2000年1月号
歌集というよりも、詩集というイメージの強い一冊である。各タイトルの前に、モノクロの写真が入って いる。これがいい。作品への導入と、イメージの拡大に一役買っているからだ。(後略)

音楽がおわる時

タイトル 音楽がおわる時
発 行 2002年
出版社 ながらみ書房

代表歌:
おちてゆく夕陽の重み 頭(ず)の内にぶあついガラスのわれる音する
タンザニアの地名愉しも“ンゴロンゴロ”地図の中から転がり出ぬ
アフリカの満点の星の宙(おおぞら)へわれ身投げしてしばらく遊ぶ


書評: 古谷 智子氏  角川書店 短歌  2003 年 2 月号
詩的な発想がぴったりと定型律の中に収められていて、ゆたかな才気を感じさせる。春日井健の影響を受けた語彙も散見され、精神の純粋さゆえに感じ易く、傷つきやすいという青春性が色濃く漂っている。それを開放するようなタンザニア原野の連作がやはり強い印象を残す。
外塚 喬氏  ながらみ書房 音楽がおわる時(帯)
この歌集の圧巻は、何といっても「遠い地平を見る瞳」に収められている、アフリカでの歌である。的確な描写に裏打ちされた歌。そしてまた、心的な現象としてとらえられている歌。一見相反するようでいて、 どちらも北久保さんの息づかいが伝わってくるような歌である。
野村 喜和夫氏  ながらみ書房 音楽がおわる時(帯)
そうふつうの人は「空が痛い」とはいわない「眼が痛い」というであろう「空が痛い」というのはあきらかに自傷のひとの感覚であり内と外とを転倒させた叙景のひずみであり同様にガラスは「頭の内」でこそ割れるのだ

'WILL,

タイトル 'WILL,
発 行 2005年
出版社 角川書店

代表歌:
はださむき朝に気づきぬ母にもうこのつぎの夏はないといふこと
ガラス戸のすみにあたる陽 書きさしの手紙のこして母逝きたまふ
雷鳴も夕立もすきわたくしを根こそぎつれてゆく夏がすき

書評: 丹波 真人氏  短歌新聞社 短歌現代  2005年7月号
主題のはっきりした歌集である。(中略)全体的に流れる大きな特徴は、主情的というか感情・気分を全面に出して詠い切る強さがある。
青木 陽子氏  ながらみ書房 短歌往来  2005年8月号
思考の深化の見られる作品に、歌に対する著者のひたむきな姿勢が感じとれる。(中略)自らの直感によって、その時時の心情を重ねて詠む自在さに、若々しさと優れた才気を思う。
有本 倶子氏  角川書店 短歌現代  2005年6月号
深い喪失感は心に深い闇を作り、この魂の闇は、失ったものを求めて、喘ぎ、漂う。(中略)しかし、その空虚な半身を歌に埋めて、作者は深く生きてゆくのだろう。
外塚  喬氏  角川書店 ウィル'WILL,(帯)
天に召されてしまった母を詠い続けることで 母との絆を永遠なものにしようとする 北久保まりこの 歌は、慈愛に満ちている。歌に思考の深化が見られるのも 魅力の一つであり、心うたれる。

On This Same Star

タイトル On This Same Star
発 行 2006年
出版社 角川書店


楽天ブックスで購入
アマゾンで購入
Pacific Asia Museum(米国カリフォルニア州)のショップ店頭でもご購入いただけます。

この度、 2003年に他界した母の挽歌が多く読みこまれている私の第三歌集『ウィル'WILL,'』が英訳される運びとなりました。翻訳を担当してくださったアメリア・フィールデン氏との出会いは、1999年私が第一歌集を出版した年に遡ります。彼女は同年日本滞在中に、歌集『波のことばで伝えたい』と偶然出会い、たいへん好感をもって下さいました。以来、オーストラリアに暮らす彼女との交流が始まったのです。
胸のなかに漠然とえがいてきた作品の英訳という夢が、これほど早くに実現するとは思ってもみなかったことでした。
この歌集によって、日本語圏以外の国のより多くの方々も広く短歌に親しみ、興味を抱いて頂けるよう心から祈っております。

2006年 北久保まりこ(「On This Same Star」前書きより)

Cicada Forest/蝉の森

タイトル Cicada Forest/蝉の森
発 行 2008年
出版社 角川書店

紀伊国屋ブックウェブで購入
Pacific Asia Museum(米国カリフォルニア州)のショップ店頭でもご購入いただけます。

アメリア・フィールデン氏の温かい後押しもあり、様々な方々のお力を得て、第一・第二歌集から、そして既に対訳歌集が出されている第三歌集からもいくらかを選び、新作を含む和英対訳歌集『Cicada Forest』がカタチとなりました。
短歌に興味をもち、また愛してくださる海外の方々にも、ひろくお楽しみいただけることを願って止みません。
2006年 北久保まりこ

■ 角川書店「短歌」十一月号・書評(ほんのページ)
北久保まりこ歌集「Cicada Forest」
俳句に比べると短歌は海外ではまだあまり知られてはいない。俳句はすでに世界最短の詩型として各国に広まっているが、短歌はまだまだだ。だが、作者の北久保をはじめとする何人かの熱意によって少しずつ認識され始めている。主に米国やカナダ、オーストラリアなどでは「英文短歌」を読み、作る人が増えている。
その北久保作品をオーストラリア在住の「英文歌人」アメリア・フィールデンが翻訳して誕生した和英対訳歌集である。洋書を思わせるハンディーで現代的なデザインの装丁が、これまでの歌集のイメージを覆す。「Cicada」はセミのこと。そういえばスウェーデンのノーベル賞詩人ハリー・マッティンソンに、セミの声に生命の危機に瀕した地球の甦りを託した作品があったのを思い起こす。

鳴く蝉の静寂にちかくなりゆけり 哀しみは今もかなしみのまま
のぞきこむわが奥底にいまもまだあたらしき水の湧きたるところ

さまざまな哀しみを乗り越えて生きるひとりの女性の、生命の象徴としてのセミの声と湧き出たばかりの汚れのない水を求めるすがやかな心性が伝わってくる。ここでは英文は引かないが、シンプルな五行詩として訳が仕上がっているのは、日本文学に堪能するアメリアならであろう。

これまでの歌集からの抄録に新作を加えたこの一巻を手に、北久保はまた海外の旅に出る。この秋はアメリアと二人で北米のモントレー湾に面した町を回った。二十日間のロングラン。各地の詩祭に招かれ短歌を朗読する。私の歌が生きて伝わると確信する。

INDIGO/藍

タイトル INDIGO/藍
発 行 2016年
出版社 Shabda Press社

アメリカ Shabda Press社の書籍紹介ページもご参照ください。

AmazonまたはBarnes & Nobleでご購入になれます。

INDIGOに寄せて

日本人は千年以上も前から短歌を詠んできて、その間他の詩歌が新しくできても短歌はいつも特別な地位にあった。時代が明治になると、日本の詩人の大部分が西洋の詩歌の影響を受け、三十一字しかない短歌は、瞬間的な感覚の記録以上に表現できない、と考えられるようになった。しかし、反逆者として有名だった石川啄木は、短歌を軽視した詩人たちに次のように、短歌の持つ独特の価値を伝えた。
“一生に二度とは帰って来ない命の一秒だ。おれはその一秒がいとしい。ただ逃してやりたくない。”
そして、啄木は幾分か皮肉に、
“歌という詩形を持っているということは、我々日本人の少ししか持たない幸福の一つだよ。”
と結論している。

啄木は伝統的な三十一字の文字数を守ったが、三行に分けて一行の長さをより自由にし、それは西洋の詩歌のように劇的な効果を生んだ。
北久保まりこのINDIGOの短歌とその英詩もまた、千年以上の伝統と極めて新しい知覚とを合わせ持っていて、実に読み応えがあった。短歌は古今集と同じように、五、七、五、七、七の模範があり、言葉や語句の多くは現代の日本語ではなく文語である。しかし、内容は現代人の心から湧き出たものに違いない。私の特に好きな短歌は音としても印象的である。

蛾の影のふいに大きくなりゆけり抗ひがたき抱擁ののち

ga no kage no/fui ni ookiku/nari yukeri/
aragai gataki/houyou no nochi

suddenly
the shadow of a moth
growing larger –

after an embrace
difficult to resist

先ず、言葉が多少日常的ではないが、歌には現代的な雰囲気と感性が香っている。また、英詩の方により顕著だが、言葉や語句の間に存在する空間が多様性を感じさせる。
最初の言葉に読者は驚くだろう。蛾という虫は歌には稀であって、蛾そのものが嫌われ避けられているが、西洋の詩では、蛾はいつも灯りを探し求めるが故、詩人にとって常に好ましく近しい存在だ。この短歌には、このような二つの意味が、同時に美しくこめられているようで忘れがたい。

--ドナルド・キーン

歌人北久保まりこについて
これまで多くの先生方にご紹介していただきました

About the Poet:
Written by Amelia Fielden
(Poet and Translator of the modern Japanese Tanka)

Mariko Kitakubo is a poet who lives in Tokyo . A member of the Association of Contemporary Tanka Poet, and the Sakujitu Tanka Society, Kitakubo is active in writing and performing. To date she has published the following tanka collections:

I Want to Tell You in the Words of Waves (1999, Artland)
When the Music Stops (2002, Nagarami Shobo)
“Will” (2005, Kadokawa Shoten)

As a performance poet, she has appeared more than 20 times, commencing with her poetic perform in the Marathon Reading at Hama Rikyu Garden in Tokyo in 2000. In September 2005, Kitakubo gave a reading to music of her own tanka for the audience at the launch of Amelia Fielden's Still Swimming collection in Camberra , Australia .

Kitakubo and Fielden are scheduled to perform their work together at the Haiku and Tanka Festival in Vancouver, Cananda, in May 2006.