お知らせ 国内外での朗読パフォーマンスを通じた表現活動を続けていきます。現代短歌 歌人 北久保まりこ

北久保まりこ プロフィール

北久保まりこ

東京都生まれ
東京都三鷹市在住
日本文藝家協会会員
日本PENクラブ会員
現代歌人協会会員
日本歌人クラブ会員
心の花会員
Tan-Ku共同創始者 Tanka Society of America

和英短歌朗読15周年記念動画
新作英文短歌
Spoken World Live発表作品

北久保まりこ

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歌人  北久保まりこ
お知らせ

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2024年3月24日、Montleal滞在中二度目の短歌ワークショップは、Zoomで行いました。

内容は昨日LaLivrerieで致しましたものと同様に、和英短歌朗読〜短歌についての説明〜BGM に使用したパーカッションの説明〜参加者による試作〜作品発表、という流れでした。

良い天気の日曜日の昼下りでしたが、ご参加下さいました方々、ありがとうございました。

昨日のWorkshopに参加が出来なかったからと言って訪れて下さっさ方もあり、とても嬉しく思いました。

これが少しでも短歌に親しんで下さるきっかけになれば幸いです。

  

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2024年03月27日(水)

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カナダ、モントリオールは先週までの暖冬が嘘のような寒さになりました。

Flavia Garcia 氏によるご企画で準備を進めてきました短歌ワークショップには、朝から粉雪が舞う天候にも関わらず、大勢の方々が足をお運び下さり大変嬉しく思いました。

参加者で満席になった会場のLaLivrerieで、短い和英朗読パフォーマンスとレクチャーの後、お受けしたご質問にお応する形式をとりました。

最後はオープンマイクで、皆様が試作された作品を発表し、私の持参したパーカッションを演奏して楽しんで頂くコーナーを設けました。

英語圏にとどまらず仏語圏でも、若い世代の方々が日本文学に大変興味を寄せて下さることが有り難く感謝の気持ちに充たされた午後でした。

  

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2024年03月24日(日)

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カナダ、モントリオール在住の詩人 Flavia Garcia 氏から招かれ、2024年3月21日、モントリオールのライブハウスLa Sala Rossa にて開催されましたPoetry Event "Soirée de poésie et traduction"に参加致しました。

12名の参加者により、様々な言語で自由に表現される詩歌の世界を堪能することができた素晴らしい夜でした。

企画に携わられた方々の細やかな気配りにも敬服いたしました。パフォーマンス後「感動しました」「深く癒やされました」とご感想を下さいました皆様に心から感謝いたします。

パフォーマンス中、タンドラム演奏のBGMを加えて下さいました音楽家のOsvaldo Rabunal氏にも御礼申し上げます。 ありがとうございました。

  

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2024年03月24日(日)

いりの舎『うた新聞』3月号、エッセイ「短歌トラベラー!」のご依頼を賜り、本日、掲載紙が届いてまいりました。

この度このご企画に参加させていただき、旅についてじっくり振り返るとても良い機会を頂けたことに、感謝しております。

どうもありがとうございました。
今後共、どうぞよろしくお願いいたします。

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コロナ後の北欧

北久保まりこ

 世界を旅し、和英朗読で短歌を紹介する活動は、突然のコロナ禍により中断を余儀無くされた。十五年目に入り好調の波に乗っていた時期である。生涯を懸けて、貫こうと決めていた仕事だった。しかし、再開の目処は立たず、ただこの地上に生き延びることだけを願って過ごした月日だった。今思うと、遥か昔の出来事のようである。当時は、過去に訪れた五大陸、五十三都市で世話になった文学者達を案じ、無事を祈らぬ日は無かった。

 希望がもたらされたのは、スウェ―デンの詩人A・マリス氏から文芸祭に招かれた、二〇二二年の夏である。彼女とは以前英国の文学会議で会い、意気投合した仲だった。

 これまで通り、BGM用のパーカッション七つと着物を携え、単身、国境を越えた。露宇情勢下、北極圏航路だった。

 湿度が低く、爽やかな七月のストックホルム。雲を幾つか遊ばせた空は広く、小さな島々を抱くバルト海の群青が、歴史ある王国の品位を感じさせた。旅人らしく迷いながら歩いた、十七世紀のままの旧市街が忘れ難い。

 中央駅で、ルーマニアからの参加者と落ち合い、一路開催地のトラノスへ。沿線の白樺の森が、南下する車窓を彩っていた。

 滞在中一回の公演予定だったが、後日、欧州諸国から到着する聴衆の要望を汲み、再演が決まった。会場は、百人以上入るライヴハウス。久々の企画にかける主催者の意気込みが窺われた。こちらのパフォーマンスにも熱が入り、魂から魂へ、直に思いを伝える媒体となって演じた。ステージを終えると、客席のあちらこちらに涙を拭う姿が見られ、胸が熱くなった。そこには、未知のウイルスの脅威を潜り抜けた人々の、瑞々しく温かな、命のさざめきが満ちていた。

・宇宙から見えぬ地球の国ざかひ 神の視点はいづこにありや

 去り際、橅の梢超しに仰いだ空は、子供の頃のように高かった。

2024年03月12日(火)

アメリカの著名な詩歌雑誌 Rattle 83号(最新号)、Collaboration特集に、Deborah P Kolodji 氏と私の新作Tan-Ku、Hubris が掲載されました。

エディターのTim Green氏に、心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。

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Hubris

through
the distorted
glass
he smiles to me
from the white limousine (M)

blue green shimmers
a peacock struts
his stuff (D)

2024年03月12日(火)

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2024年2月16日、東京池の上のライブハウスGarigariで開催されましたDrank Poets TokyoのReadingに、久々に参加致しました。

メンバーの中には、昨年12月、Tokyo Poetry Journal Vol.14の出版記念パーティーで、お会いした方々もありました。

今回は、過去にインド滞在中に詠みました旧作短歌連作 "BanyanTree" を和英で朗読し、お楽しみ頂けて幸いでした。

皆様ありがとうございました。

  

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2024年02月21日(水)

Online 詩歌誌、Shot Glass Journal様、Deborahとの新作Tan-Ku三作品をご掲載頂きありがとうございました。

※画像をクリックすると Shot Glass Journalのページが表示されます。

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The Wait

by Mariko Kitakubo and Deborah P Kolodji

high tide
makes me
defenseless. . .
ancient blue of
the Pacific Ocean (M)

your ship shrinking
into the horizon
I wait ashore (D)

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February

by Deborah P Kolodji and Mariko Kitakubo

morning sunshine
the snow where
you are (D)

invisible now
but I'm sure
Sakura's
flowering power
will surround us (M)

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Sundial

by Mariko Kitakubo and Deborah P Kolodji

this sunset
is only for today
step by step
I'll be able to
start a new life (M)

ocean swallowing
the remaining light
moonrise? (D)

2024年02月06日(火)

British Haiku Society の詩歌誌、Blithe SpiritのVol. 33 Number4に、DISTANCEの書評が掲載されました。

偉大な音楽家バッハや画家、マティスやセザンヌの芸術に擬えて、素晴らしい評をお書き下さいました評者のA A Marcoff氏、どうもありがとうございました。

また、貴重な紙面をさいて下さいましたBlithe Spirit編者の皆様にも、心から御礼を申し上げます。

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Distance by Mariko Kitakubo, Deborah P Kolodji, Shabda Press, 2023, paperback, 94 pages,

Mariko (Japan) writes tanka. Deborah (California) writes haiku. After the pandemic brought them together on the internet, these two great voices are now become as sisters in poetry, linked across the ocean, and in their book of tanka and haiku in combinations (Tan-Ku), they have composed a magical, sublime duet, improvisations in realities and dreams.

Constructed with echo, counterpoint and reprise, this book seems like a Bach concerto for two interweaving violins. The two poets are dream- travellers, and at times touch the cosmos in a 'Music of the Galaxy'. But in this haiku, we are brought from the stars right down to earth:

expanse
of the universe
a boy and his dog

In mirrors of the soul, Distance offers us a little kaleidoscope of everything, in 'emanations' (Matisse) and 'realisations' (Cezanne), that takes us from Samarkand and the Ngorongoro Crater in Tanzania (with its cradle or creation of the species), to Asakusa and the Senso-ji Temple in Tokyo. Sometimes we are led through a Torii (Shinto gateway) that marks a transition from the mundane to the sacred. These haiku and tanka were created in the spontaneity of the moment out of an emotion heightened by the pandemic. Several times I heard reverberations of the Zen koan, 'show me your face before you were born'.

Both poets are seasoned practitioners, and both are well-travelled. Mariko in particular, by all accounts a deeply impressive performer of her tanka, has taken her art all over the globe, and has made tanka truly international, touching so many hearts and minds:

through
the antique glass
dawn
comes into the world

spring snow
or petals of sakura
falling falling
like ashes in Ukraine

Deborah, Moderator of the Southern California Haiku Study Group, has travelled to Tokyo to do a haiku presentation:

the sea pounding
even in my dreams
dolphins

bees in soft petals
I open my arms
to the sun

Together they have given us the light of the stars, and the raw beauty and authenticity of things. They write with real flair, with the flow of things (they quote Heraclitus and his concept of 'Panta Rhei' ('Everything flows')), in spontaneous observations and essentials. We are left with the human condition, the way of life itself, couched in small poems that express the inexpressible with wonder. This is a book to love - absolutely. Absolutely in a relative world.

A A Marcoff

2024年02月05日(月)

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歌集『さらさらと永久』書評 三十一文字のアリア

北久保まりこ

 『さらさらと永久』は「玲瓏」編集委員「短歌人」同人、山科真白の第二歌集である。

 地球全土が未知の感染症に見舞われ、各地で夥しい数の死者がでた悪夢のような一時代が過ぎた。これはその間の作品をまとめた一冊である。出口の見えぬトンネルに置き去りにされた人間の孤独を、独自の感性で紡がれた独唱曲(アリア)のような歌で表現している。筆者も同時期に英語の連作集を編んだので、著者の心持ちを身近なものとして捉えることができた。

・せつなからこぼれた雪のやうにほら、とても綺麗で儚くて、今
・おづおづと差し出す櫂の手触りを彼岸に残しわたしはひとり
・シーソーの片方だけが地に付いてだあれもゐない午後の公園
・しよぼくれたわたしの影の不格好 つまりあなたがゐない世界だ

 個性的な言葉選びによって展開される物語に、読者を引き込み手放さぬ詠力に長けている。

 灯された生(せい)の火が、いつ消されてもおかしくないと日に幾度も過るとき、人は目に見えぬ大いなるものの在り処を求めるのかもしれない。

・人を待つ駅に立夏の風生まれ頬こそばゆく神は過ぎたり
・隠喩なら銀色の釘 ゆつくりと息を捨てつつ近づくピエタ

 やや直接的にうたわれている作品も、引いておきたい。

・虫干しの喪服の紋の鶴が哭く密接不離に棺は並びて

 作者はあとがきに当時の心情を、「心のカンバスは喪失という絵の具によって、あっという間に厚く塗りつぶされ」た、と吐露している。

 そうだ、私達はこうして、日々人の死に際を目の当たりにしながら、あの時空を生き延びた。

・自死終へた人の生きざまちらつきて息をのむほど美しい月
・「ありがたう」日本で一番美しい言葉をあなたに言へてよかつた

 喪われゆく命を見つめながらも、作者の領域の輪郭は、常にゆるぎなく保たれている。

 短歌には、詠む者から負の感情を解き放つ力があると、以前から感じていた。それは、この度のような未曽有の危機にあってでさえ、損なわれることなく私どもを支え続けた幽かな、しかし確かな光であったろう。

 闇の時間を、這うようにして乗り越えた者の一人として、歳月を経て回想とともに、また読み返したい歌集である。

2024年01月22日(月)

角川短歌年鑑に、本年度も自選作品をご掲載頂きました。
心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

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角川短歌6月号より。

もう居ない幼気な汝に会ふためにロンドはめぐる回転木馬

何と言ふ坂だつたらうまだ若き母と遊びし影踏みの坂

花霞む堤につづく隠り世か 縄文人も視し雨後の空

逝き様が生き様ならんジャン=リュック・ゴダールが示したりし選択

モーイーヨと返す声亡きかくれんぼ 何年待つやAIの鬼

2024年01月09日(火)